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今月の実務の動き 今月の実務の流れがわかる

人事労務について、最近の注目すべき点や改正などの情報をお届けいたします。

休職期間中の産休・育休

2015年6月22日 掲載

 休職している従業員が、産休や育休を請求した場合にどのように対応するべきかという問題があります。休職中は、就労義務が免除されているため、各種休業を取得する余地はないかのようにも考えられますが、実際には、産休・育休が優先するものと考えられます。休職制度は、法律上に根拠があるものではなく、企業が任意に定める制度となります。一方、産休・育休は法律上の制度でありますので、法律上の除外事由に該当しない限りは、休職制度に優先して労働者が自由に取得し得るものと考えられるからです。また、産休の場合には、産休中およびその後30日間は解雇制限(労基法19条1項)があるため、その点でも、法律上の産休が休職に対して優先するものと考えられます。
 
 次に問題となるのは、産休・育休中には、休職期間を中断すべきであるかという問題です。この点、休職期間は産休・育休中であっても中断する必要はないものと考えられます。なぜなら、休職期間とは、労働者に対して療養・復職の機会を与え、解雇を猶予するために企業が設定する期間であり、客観的にその猶予期間たる休職期間が付与されていれば、解雇猶予のための期間としては相当であると考えられるからです。したがって、たとえ育休中であっても、当初の休職期間が満了した時点で復職不可能であれば、解雇ないし退職の扱いとすることも適法と考えられます(産休中は解雇制限のため解雇できません。休職期間満了による退職扱いも、解雇に準じる措置であるため制限されると考えられます。)。ただし、育休中の場合、リハビリ勤務等も実施できませんので、復職不可能かどうかを判定することは現実的には困難となることも考えられます。その場合には休職期間を延長するなどして個別対応することになるでしょう。
 
 昨今、マタハラ等に対して司法、さらには行政において厳しい判断が示される傾向にありますが、どのような場合にマタハラ、すなわち産休・育休等を理由とした不利益取扱いに該当し、どのような場合であれば、解雇・退職等の扱いとしても不利益取扱いに該当しないのか、ということについてはしっかりと整理しておく必要があるでしょう。そして、必要以上に委縮しない人事対応を取ることが重要になります。
 
 
 
 

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