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税金の杜 税務実務のワンポイントコラム

税務に関する旬のトピックスや、注意すべき項目などについて、わかりやすく解説いたします。

相続財産の分割と特例の適用

img2012年7月15日 掲載
相続税では、配偶者についての税額軽減規定がある。これは、配偶者の取得した財産の価額が、法定相続分あるいは1億6,000万円のいずれか多いほうの金額以下である場合には相続税額が生じない規定であり、この規定の適用を受けるためには、相続財産が分割されていることが要件とされている。

配偶者の税額軽減の規定は、残された配偶者のその後の生活を保証する趣旨で設けられている規定であり、そのために、相続財産が分割され、分割された相続財産を実際に配偶者が取得していることが要件となっているのである。

ただし、この場合の「分割」は、相続財産の全てを分割することが求められているわけではなく、配偶者の相続分のみを分割して配偶者がそれを取得し、残りが未分割の場合でも適用を受けることができる。

これに対して、相続税の申告期限までに、配偶者の相続分も含めて遺産分割協議が整わず、法定相続分で申告を行う場合には、相続財産の全てが未分割であるから、税額軽減の適用を受けることはできない。

このような場合でも、その後3年以内に分割が行われた場合には、改めて配偶者の税額軽減の規定の適用を受けることができるから、配偶者は更正の請求を行って、過大税額の還付を受けることができる。 
また、遺産分割をめぐって裁判になっているとか、調停の申立がなされているなどの理由で、申告期限から3年が経過しても遺産分割ができない場合には、税務署長にその旨を申し出て承認を受け、遺産分割が可能になった日から4月以内に分割することにより、税額軽減の規定を適用することができる。

また、特例居住用宅地等や特例事業用宅地等の減額特例の適用についても、対象となる宅地等が分割されていることが要件とされている。

この場合にも、相続財産全ての分割ではなく、特例の対象となる小規模宅地等が分割されていれば、その他の財産が分割されていなくても特例の適用を受けることができるし、法定相続分で申告してから3年以内に分割した場合、および3年経過しても分割ができないことについて税務署長の承認を受けた場合には、分割可能となってから4月以内に分割すれば特例の適用を受けることができる。

imgなお、相続財産の分割の方法としては、財産をそのままの形で分割する現物分割と、相続財産を譲渡して譲渡代金を分割する換価分割があるが、配偶者の税額軽減の規定は、いずれの方法で分割しても適用がある。

これに対して、小規模宅地等の減額特例は、小規模宅地等を相続税の申告期限まで所有していることが要件とされているから、現物分割は適用があるが、特例の適用を受けようとする小規模宅地等を換価して分割した場合には、適用を受けることができない。

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