税務に関する旬のトピックスや、注意すべき項目などについて、わかりやすく解説いたします。
2013年12月25日 掲載
給与所得控除は、平成24年度の税制改正により、給与収入が1,500万円を超える場合から245万円を上限とする措置が講じられ、平成25年分の所得税から適用されているが、平成26年度の税制改正により、下記のように、さらに縮減されることとなった。
現行 |
平成28年分の所得税 (平成29年度分の 個人住民税) |
平成29年分以後の所得税 (平成30年度分以後の 個人住民税) |
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上限額が適用される給与収入 | 1,500万円 | 1,200万円 | 1,000万円 |
給与所得控除の上限額 | 245万円 | 230万円 | 220万円 |
今回の税制改正の検討過程で示された資料によると、給与所得控除額が見直されると、夫婦子2人(子のうち1人は特定扶養親族、1人は一般扶養親族)のケースで、所得税と住民税をあわせた税負担は、給与収入が1,000万円の者は、平成28年分(個人住民税は平成29年度分)も、平成29年分(個人住民税は平成30年度分)も現行の税負担額114万円のままで変化はない。
これが、給与収入が1,200万円のケースでは、所得税と住民税をあわせた現行の税負担額170万円は、平成28年分(個人住民税は平成29年度分)は変化がないものの、平成29年分(個人住民税は平成30年度分)では、173万円に増加する。
また、給与収入が1,500万円のケースでは、所得税と住民税をあわせた現行の税負担額267万円は、平成28年分(個人住民税は平成29年度分)は274万円に、さらに平成29年分(個人住民税は平成30年度分)は278万円に増加する。
給与所得控除については、給与所得者の必要経費に比べて過大になっているのではないかとの議論があり、役員給与にかかる給与所得控除については、平成23年度の税制改正で、見直す法案が提出されたものの、廃案となった経緯がある。
今回の改正では、役員に限らず、給与収入が1,000万円を超えるすべての者の給与所得控除の縮減が図られ、課税が強化されている。