• 今月の実務の動き
    • 最新記事
    • バックナンバー
  • 税金の杜
    • 最新記事
    • バックナンバー
  • 社会保険ワンポイント
    • 最新記事
    • バックナンバー
  • TOP
  • 弁護士の必要経費と弁護士会等の費用 | 税金の杜

税金の杜 税務実務のワンポイントコラム

税務に関する旬のトピックスや、注意すべき項目などについて、わかりやすく解説いたします。

弁護士の必要経費と弁護士会等の費用

2014年2月25日 掲載

 最高裁判所は、弁護士が弁護士会等の役員等としての活動に伴い支出した懇親会費等が、弁護士の事業所得の計算上、必要経費に算入することができるか否かを主な争点とする訴訟の上告審の不受理を決定した。
 
 これにより、弁護士の事業所得の計算上、弁護士が弁護士会等の役員等としての活動に伴い支出した懇親会費等の一部を、必要経費に算入することを認めた2審の東京高裁の判決が確定した。
 
 この事案は、2審の東京高裁が、弁護士と人格の異なる弁護士会等の役員等としての活動に要した費用についても、弁護士会等の役員等の業務の遂行のために必要な支出であるならば、その支出は弁護士としての事業所得の金額の計算上、必要経費に該当すると解するのが相当と判断したことから、課税当局が上告していた。

 

 

 事業所得の計算において必要経費に算入される金額は、売上原価のほか、総収入金額を得るために直接要した費用、販売費、一般管理費等とされている。
 
 最高裁が上告審の不受理を決定したことで、弁護士の事業所得の計算上、弁護士が弁護士会等の役員等としての活動に伴い支出した懇親会費等の一部を必要経費に算入することを認めた2審の東京高裁の判決が確定したわけだが、事業所得の計算上、所得を生ずべき業務との直接の関係性が否定されたわけではない。
 
 この点については高裁判決でも、ある支出が所得税法37条1項に規定する所得を生ずべき業務について生じた費用に該当するか否かについては、事業所得を生ずべき業務の遂行上、必要であることを要すると解するのが相当としている。
 
 弁護士会等の場合、会員弁護士の活動により会が支えられており、必要となる費用についても、弁護士会等がすべてを負担するものではなく、不足した分については参加した弁護士が自ら支出し、会の役員になれば自己負担額が増える等の現状がある。
 
 その上で、弁護士が弁護士会等の役員として行う活動は、社会通念上、弁護士の事業所得を生ずべき業務に該当することはできないとしながら、弁護士会等の役員等の業務の遂行のために必要であったということができるのであれば、その支出は弁護士としての事業所得の金額の計算上、必要経費に該当すると解するのが相当としていることから、この判決はあくまで事例判断と解するのが適当といえる。

バックナンバー一覧を見る