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税金の杜 税務実務のワンポイントコラム

税務に関する旬のトピックスや、注意すべき項目などについて、わかりやすく解説いたします。

馬券の払戻金にかかる最高裁判決と通達改正

2015年3月16日 掲載

 平成27年3月10日、最高裁は、ソフトを使用しインターネットを介して、競馬の馬券を長期にわたり、機械的、網羅的、大規模に購入し、客観的に認められる購入記録が残されている事象について、馬券の払戻金は「一時所得」ではなく、「雑所得」に該当する場合があり、その場合、外れ馬券は所得金額の計算上控除すべき必要経費にあたる旨判示した。

 

 この判決を受けた国税庁は、「最高裁判所判決(馬券の払戻金に係る課税)の概要等について」を同庁のwebサイトに掲載、今後、この最高裁平成27年3月10日判決の内容を精査し、パブリックコメントの手続を行った上で、所得税基本通達34-1を改正する予定であることを明らかにした。

 

 周知のとおり、競馬の馬券の払戻金については、馬券の購入行為の態様や規模等にかかわらず、一律に「一時所得」として取り扱われている(所得税法第 34 条第1項、所得税基本通達 34-1)。

 

所得税法第34条(一時所得)

一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。

 

 一時所得を例示している所得税基本通達34-1は、競馬の馬券の払戻金は一時所得に該当するとしているが、国税庁が通達改正を示唆したことから、最高裁の判断を踏まえ営利を目的とした継続的行為から生じた所得と認められる場合には、競馬の馬券の払戻金であっても雑所得に区分されることとなろう。

 

所得税法第35条(雑所得)

雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいう。

 

 馬券の払戻金が「一時所得」に該当する場合、収入を得るためにかかった必要経費は当たり馬券の購入代金のみとなるのに対し、「雑所得」に該当するのであれば、当たり馬券の購入代金のみならず外れ馬券を含む全ての馬券の購入代金が必要経費になることから、所得金額を計算する上で、大きな差が生じることとなる。

 

 最高裁判決では、営利を目的とした継続的行為から生じた所得であるか否かについては、行為の期間、回数、頻度その他の様態、利益発生の規模、期間その他の状況等の事情を総合考慮して判断するのが相当としていることから、改正後の通達では、これら判示されている要素について、雑所得に区分されるメルクマールが示されると予想される。

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