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税金の杜 税務実務のワンポイントコラム

税務に関する旬のトピックスや、注意すべき項目などについて、わかりやすく解説いたします。

新たな控除として検討される「夫婦控除」と「遺言控除」

2015年8月25日 掲載

 自由民主党の政務調査会「家族の絆を守る特命委員会」で、「家族の絆を強くするための税制のあり方について」話し合いの場が持たれ、「夫婦控除」と「遺言控除」の導入が提言された。

 

夫婦控除とは

 新たな控除として導入が提言された「夫婦控除」は、現行制度にある配偶者控除および配偶者特別控除に代えて、法律上の夫婦世帯に対し、配偶者の収入にかかわらず適用する新たな控除制度。

 

 配偶者の働き方に中立的な制度とすることで、女性の社会進出を後押しし、婚姻へのインセンティブを与えることで、家族の絆の強化につなげる狙いがあるとされる。

 

 昨年11月の政府税制調査会では、「働き方の選択に対して中立的な税制の構築をはじめとする個人所得課税改革に関する論点整理(第一次レポート)」で、現行の配偶者控除が創設されて半世紀が経過していること、また、人口減少という大きな構造変化を踏まえると、今後は「結婚し夫婦共に働きつつ子どもを産み育てるといった世帯」に対する配慮の重要性が高まるとして、新たな制度の選択肢として下記が取り上げられた。

 

・配偶者控除の廃止 + 子育て支援の拡充

・移転的基礎控除の導入 + 子育て支援の拡充

・夫婦世帯を対象とする新たな控除の導入 + 子育て支援の拡充

 

 特命委員会で提言された「夫婦控除」は、このうちの「夫婦世帯を対象とする新たな控除」であり、今秋以降の税制改正の議論で取り上げられるかが注目される。

 

遺言控除とは

 一方、「遺言控除」は、亡くなった被相続人の遺言に基づいて相続がされた場合に、相続税の基礎控除に上乗せして一定額を控除する新たな控除制度。

 

 この「遺言控除」導入の目的は、遺言に基づいた遺産分割を促進し遺産分割をめぐる紛争を抑止すること、また、介護による貢献に見合った遺産相続を促進することとされる。

 

 委員会で示された日本公証人連合会HPの資料によると、平成26年の遺言公正証書の作成件数は104,490件に上り、前年の平成25年の96,020件から、8千件以上増加している。

 

 相続税制度は、平成25年度の税制改正により、平成27年1月以降に発生した相続・遺贈から基礎控除が3,000万円+600万円×法定相続人数となり、改正前の6割に縮減されており、今後予想される相続税の申告増加を背景に、相続にかかる関心は高まっている。

 

 また、最高裁判所の司法統計年報によると、5,000万円以下の相続財産での争いが、相続財産をめぐる争いのおよそ75%を占めており、「遺言控除」が検討される背景には、相続財産をめぐる争いを防ぐ手立てとして、これまで以上に遺言の活用が期待されていることがあると考えられる。

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