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税金の杜 税務実務のワンポイントコラム

税務に関する旬のトピックスや、注意すべき項目などについて、わかりやすく解説いたします。

使用料にかかる源泉徴収と租税条約

2016年10月25日 掲載

 日本国内に所在しているインターネット関連企業が、音楽・映像の配信サービスにかかるソフトウェアの使用料を、国外に所在する企業へ支払う際の所得税について、源泉徴収漏れを課税当局から指摘された。

 

 報道されたこの事例は、使用料の支払先である国外の企業がアイルランドに所在していることから、所得税の源泉徴収の問題が生じたと考えられる。

 

 日本の所得税法では、非居住者に対して使用料の支払をする者に、その支払の際に所得税の源泉徴収を義務付けており、非居住者に対して使用料を支払う場合、20%の税率とそれにかかる復興特別所得税の2.1%をあわせて、20.42%の税率で所得税が課されることになる。

 

 ただ、近年、日本が締結している租税条約では、投資所得(配当、利子、使用料)について源泉地国の課税を軽減している。

 

 租税条約は「OECDモデル租税条約」が国際標準となっており、OECDに加盟している日本も、租税条約を締結する際には、概ねこれに沿った内容で条約を締結している。

 

 ただ、租税条約は条約締結国(相手国)によって、その内容が異なる。

 

 例えば日本とアメリカとの租税条約においては、使用料について免税規定が設けられていることから、使用料の支払いにかかり源泉徴収の問題は生じない。

 

 報道にあるアイルランドのケースでは、日本とアイルランドの間で締結されている租税条約の第13条で、使用料が生じた国において、10%を超えない範囲で租税を課すことができると規定している。

 

 よって、日本・アイルランド間の使用料の支払においては、租税条約に規定される限度税率(10%)まで所得税を課すことができ、この部分にかかり源泉徴収漏れが指摘されたと考えられる。

 

 ただし、租税条約に規定された限度税率の適用を受ける場合には、相手国に居住する使用料を支払われる者が、一定事項を記載した租税条約の届出書を、日本国内の支払者である源泉徴収義務者を経由して、その納税地の税務署長に提出する必要がある。

 

 報道されたケースでは、届出書が提出されているのであれば、源泉徴収漏れが起こるとは考えにくいことから、届出書は提出されていなかったのではないかと推察される。

 

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