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税金の杜 税務実務のワンポイントコラム

税務に関する旬のトピックスや、注意すべき項目などについて、わかりやすく解説いたします。

最高裁が預貯金は遺産分割の対象と判断

2017年5月25日 掲載

 昨年末から、最高裁は、預貯金について、各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継するとしていた従来の取扱いを変更する判断を示している。

 

 まず昨年12月、最高裁大法廷は、共同相続された普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権は、いずれも、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となる決定を行った。

 

 また、この判断を踏襲する形で、今年の4月、最高裁第一小法廷も、共同相続された定期預金債権及び定期積金債権についても、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないとの判断を示した。

 

 国税庁では相続や遺贈などにより財産を取得した人の相続税の申告状況の概要を、毎年とりまとめているが、昨年12月に公表された「平成27年分の相続税の申告状況について」では、相続財産の金額の構成比は、土地の38.0%(平成26年41.5%)の次に、現金・預貯金が30.7%(平成26年26.6%)で多くなっている。

 

 相続財産に占める現金・預貯金の割合は増加しており、一連の最高裁の取扱いの変更が、今後の相続実務に与える影響は少なくないと思われる。

 

 ただ、これまでも相続が発生した場合、一般的に金融機関では、遺産分割の成立や相続人全員の同意に基づいて、預貯金の払戻しを行っており、実務の上で、大きな混乱は招かないと考えられる。

 

 懸念されるのは、必然的に預貯金が遺産分割の対象となるため、預貯金が相続財産に占める割合が大きい相続事案をはじめとして、特別受益等の問題が生ずる可能性が高まり、相続事案解決の長期化や、相続にかかる紛争が増加することだ。

 

 また、現在、民法の見直しを検討している法制審議会民法(相続関係)部会(法務省に設置)では、昨年6月に「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」で、預貯金債権等は遺産分割に含めるとした。

 

 今後、相続人の意思にかかわらず、預貯金債権は遺産分割協議の対象となることが法制化されると、これまで一部の金融機関で例外的に行われていた相続にかかる預貯金の払戻しは困難になるとの指摘もあり、これまで以上に遺産分割協議の重要性が増すことになる。

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