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税金の杜 税務実務のワンポイントコラム

税務に関する旬のトピックスや、注意すべき項目などについて、わかりやすく解説いたします。

最高裁 タックスヘイブン対策税制をめぐり納税者を支持

2017年11月27日 掲載

 最高裁は、タックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)の適用をめぐり、課税当局の更正処分を取り消し、逆転で納税者の主張を認める判決を行った(平成28年(行ヒ)第224号 平成29年10月24日 第三小法廷判決)。

 

 タックスヘイブン対策税制は、20%未満の税負担の外国子会社等の所得(課税対象留保金額)を日本の親法人の所得とみなして、親法人に合算して課税する制度。

 

 事案の争点は、自動車関連部品の製造販売等を目的とする日本の親会社が、シンガポールに地域統括会社として設立した外国子会社の課税対象留保金額を、タックスヘイブン対策税制を適用して日本の親会社の所得に合算するか否か。

 

 課税当局は、シンガポールの外国子会社の主たる事業は株式の保有であるとして、タックスヘイブン対策税制の適用除外基準の一つである事業基準(主たる事業が株式の保有等、一定の事業でないこと)を満たさないとし、外国子会社の課税対象留保金額に相当する金額は、日本の親会社の所得金額の計算上、益金の額に算入されるとして、更正処分を行った。

 

 この処分を不服とした日本の親会社は訴訟を提起、第1審の名古屋地裁は、課税当局の更正処分を取り消したが、第2審の名古屋高裁は課税当局の更正処分を認める判決を行ったことから、最高裁の判断が注目された。

 

 先般、最高裁は課税当局の更正処分を適法とした名古屋高裁の判決を破棄し、課税当局の控訴を棄却、これにより課税当局の更正処分を取り消した第1審の判決が確定した。

 

 判決で最高裁は、シンガポールの外国子会社の行っていた地域統括業務は、地域企画、調達、財務、材料技術、人事、情報システム及び物流改善という多岐にわたる業務から成り、豪亜地域における地域統括会社として、集中生産・相互補完体制を強化し、各拠点の事業運営の効率化やコスト低減を図ることを目的とするものということができ、個々の業務につき対価を得て行われていたことも併せ考慮すると、地域統括業務が株主権の行使や株式の運用に関連する業務等であるということはできないとした。

 

 また、外国子会社の行っていた地域統括業務は、相当の規模と実体を有するものであり、受取配当の所得金額に占める割合が高いことを踏まえても、事業活動として大きな比重を占めていたということができ、地域統括業務が外国子会社の主たる事業であったと認めるのが相当であり、事業基準を満たし、すべての適用除外基準を満たすことから、事業基準を満たさないとした課税当局の更正処分は違法と判断している。

 

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