• 今月の実務の動き
    • 最新記事
    • バックナンバー
  • 税金の杜
    • 最新記事
    • バックナンバー
  • 社会保険ワンポイント
    • 最新記事
    • バックナンバー
  • TOP
  • 無期転換制度問題 | 社会保険ワンポイント

社会保険ワンポイント 社会保険のワンポイントコラム

社会保険に関する旬のトピックスや、注意すべき項目などについて、わかりやすく解説いたします。

無期転換制度問題

2017年12月10日 掲載

ついに師走となりました。事務担当者の方は年賀状や年始回りの準備を進めていらっしゃる頃ではないでしょうか。このような多忙な時期ですが、労働関係では来年4月1日より2018年問題といわれていた「無期転換制度」が適用開始となるため、ここにきて各企業での動きが慌ただしくなっています。そこで今回は、この「無期転換」の内容確認と注意点について触れてみたいと思います。

 




無期転換制度とは

 無期転換制度は、労働契約の期間に定めがある「有期労働契約者」が、1回以上の更新をして通算した期間が5年を超えることが見込まれた場合、その方が契約期間の満了までに「期間の定めのない労働契約(無期契約)」を申し出たときは、会社はこの申し込みを承諾したものとなる制度です。


 

対象者と効力

 この制度の対象者は原則として有期労働契約期間が5年を超える方はすべて対象となるため、契約社員、パートタイマー、アルバイト、といった名称は関係ありません(全員適用)。また、本人が「無期になりたい」と手を挙げた時に成立しますので、そこで会社が「この人は(無期契約にしたくない)…」というような選別は認められていません。注意点は無期契約に切り替わるのは、無期契約転換に手を挙げた契約期間の終了後ですので、上記図の方が平成30年5月に無期の申し出をした場合でも、無期の契約に切り替わるのは平成31年の4月からとなります(一定条件を満たした専門的知識等を持つ有期契約労働者、定年再雇用後の有期契約労働者については、都道府県労働局長の認定により5年の無期転換制度の対象外とする方法もあります)。

 

クーリング期間とは

 有期契約の期間と期間の間に労働契約がない期間が6ヶ月以上ある時は、その空白期間より前の労働契約期間は、無期転換権の発生条件である通算契約期間の5年間には含まれません。

無期転換後の労働条件における注意点

 無期転換後の労働条件は特に定めがなければ切替前の労働条件と同一になります。「同じだからいいじゃないか」と思うかもしれませんが、実際はそう簡単にはいかないと思われます。例えば、有期契約ということで通常の場合よりも月給や時給を高額にしていた場合、無期になってもその高額な条件が継続となってしまいます。このような時は一般の正社員制度に切り替えた方が給与額を抑えられる場合があります。また、パートの方がある期間は週5日勤務、ある期間は週3日勤務としていた場合、この週3日の状態の時に無期に切り替わると週3日が無期で固定されてしまいます。従来通り勤務していただきたい場合は「繁忙期○月~○月は週5日、閑散期○月~○月は週3日」という契約が必要です。いずれの場合も労働契約ですので変更する場合は相手方の同意が必要となります。

 

会社における準備

 会社は無期転換の対象となる方の人数や転換時期を調査しておく必要があります。そして無期転換を希望する場合の「無期労働契約転換申込書」や「無期労働契約転換申込受理通知書」等の書式準備をしておきましょう。さらに、無期転換労働者の生活安定と能力発揮、会社の経営基盤安定のため、従来の正社員と非正規社員(契約社員、パート等の有期労働契約者)の中間に「多様な正社員(限定正社員や準社員)」制度を設け、無期に切り替わる際にこの身分に変更するという制度内容も厚労省は推奨しています。

 ちなみに今回の無期転換は5年という条件を満たした場合でも、本人の希望がなければそのまま有期契約が継続します(無期の条件が悪ければ、無期に切り替えず毎年有期契約の更新交渉という事態も考えられます)。この無期転換問題はなかなか奥が深いので会社担当者の方は要注意です。
 

*関連小冊子*
『平成29年度版 社会保険マニュアルQ&A
詳細はこちらから
(税務研究会のサイトへ移動します) 

バックナンバー一覧を見る