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社会保険ワンポイント 社会保険のワンポイントコラム

社会保険に関する旬のトピックスや、注意すべき項目などについて、わかりやすく解説いたします。

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年金事務所からの調査

2018年4月10日 掲載

 新年度に入りました。会社の事務担当者の方は多種多様な業務に忙殺されていることと思いますが、対象となる従業員の方については一つ一つが大切な意味を持つものばかりになりますので、漏れのない対応を心がけたいものです。そう、漏れについて怖いのが年金事務所の調査。今回は最近の年金事務所の調査の傾向について取り上げてみたいと思います。

 

窓口調査と実地調査

 年金事務所の調査は主に「窓口調査」と「実地調査」の2種類があります。一昔前までは会社が初めて社会保険に加入する「新規適用」の際には年金事務所の担当官が社会保険の登録所在地まで出向き、本当にその場所で会社が存在し、かつ労働者の方がそこで働いているかについての調査(実地調査)がありました。しかし、近年はこの調査がなくなり、最初の定時決定(毎年7月初めに行われる4月~6月の給与支払い状況や労働者数の実態報告)の際に窓口調査が行われることが多くなりました。

 

窓口調査のターゲット1「パート等の未加入者」

 この窓口調査における年金事務所の主なターゲットは「社会保険における加入漏れ」と「月額変更届の提出漏れ」にあると思われます。前者の加入漏れは文字通り、本来、社会保険の加入をしなければならない従業員が、加入漏れを起こしていないかを調査するものです。一番オーソドックスなポイントは「源泉税を徴収している人数」と「社会保険加入者」の数を比較することで、この窓口調査の持参書類の中には大抵、源泉所得税の領収済通知書が含まれています。この領収済通知書には源泉所得税を納めた金額と「その人数」が記載されていますので、この記載人数と社会保険に加入している人数を比較すれば、原則としてその差数が社会保険に加入していないことが判明します。

 調査ではこの未加入者についてのタイムカード(出勤簿)や賃金台帳について確認が行われ、社会保険に加入しなければならない人か、加入しない人かについて検証が行われます。この検証基準は、当該事業所の通常の従業員(主にフルタイム従業員)と比較して「1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が4分の3以上」のパート等従業員であれば社会保険の加入対象(4分の3要件)と判断されます。

501人以上の「特定適用事業所」の場合

 平成28年10月以降、被保険者の人数が1年間に6ヶ月以上501人以上になることが見込まれる場合「特定適用事業所」となります。この事業所の従業員の場合、上記の4分の3要件ではなく下記の1~5のすべてを満たす場合、社会保険に加入しなければならないとされています。

①1週間の所定労働時間が20時間以上 ②月額賃金8.8万円以上(年収106万円以上)

③1年以上継続して雇用される見込みがある ④被保険者の数が501人以上の企業 ⑤学生でない

 

窓口調査のターゲット2「月額変更届の届出提出漏れ」 

 基本給などの固定的賃金の変動が標準報酬等級の差が2等級以上あった月が3ヶ月連続した場合、年金事務所(および健保組合等)に「月額変更届」を提出しなければなりません。この届出をすることにより、変動のあった月の4ヶ月後に社会保険料額の改定が行われます。しかし、この届出が漏れてしまっていることが多いため、年金事務所の調査のターゲットにされています。この調査で届出漏れが判明した場合、変更すべき月に遡って標準報酬月額が改定されますので、昇給時の場合は保険料差額不足分を従業員から徴収する等の調整作業が発生します。

 

注意すべきポイント

 このように窓口調査では上記2点が主なターゲットとされますが、最近のさらに注意すべきポイントは、この調査時期が毎年7月の定時決定時だけではなく1年中行われるようになったことです。これにより算定時期だけ気を付けておけば良いということにはならなくなっています。

 また、調査の際に当該事業所の「従業員名」が書かれていることがあります。これは年金事務所が怪しいと判断したから、あるいは本人が調査を申し出たから、等いくつかの原因が考えられます。さらに今後は「マイナンバーによる照合結果」ということも考えられますので、より正しい手続きが求められることになるでしょう。

 

実地調査

 新規適用時の実地調査はほぼなくなりましたが、実地調査そのものがなくなったわけではありません。悪質なケースが疑われる場合、事前通知なく突然会社に担当官が来て調査されることもあります。慌てずに、真摯に対応しましょう。

 

調査で問題が発覚したら

 年金事務所による調査で問題が発覚した場合、最悪2年間の遡及が発生します。今回取り上げたターゲットの他、他で収入がある「二以上勤務者」による未届出での指導も見受けられていますので、ふだんからの正しい手続きと、従業員への必要な連絡をきちんととるように担当者も心がけましょう。

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