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ZEIKENPLUS 2012 Winter

研修会レポート 人気の研修会をご紹介します!
~月次決算の説明の勘どころ~ 公認会計士 和田正次

税務研究会では、税務・会計を中心とする実務セミナーを全国にて開催しています。
和田正次先生は、日本公認会計士協会東京会経営委員会委員長等を歴任された公認会計士で、講師をお願いしている「月次決算書の見方・説明の仕方」や「管理会計入門」等は多数の方にご参加いただいている非常に人気の高い研修会です。監査法人勤務の後、外資系コンサルティング会社での勤務経験もあり、コンサルティングノウハウを活かした実践的かつ明快な指導には定評があります。
今回は和田正次先生に月次決算の説明の勘どころを中心にお話をお聞きしました。

月次決算の説明に有用な情報の引き出し

決算を説明するということ

ここ数年、会計について専門外であった人々の会計への関心が徐々に強まってきているように感じます。
特に経営者や経営幹部にとっては、「会計のことはよく分からない」ということでは経営責任が果たせなくなってきているのが現実です。企業の開示情報に関する問題が明らかになる都度、その事実を再認識させられます。 会計は経営実態を映す鏡です。体内の様子を写し出す内視鏡のように鮮明に病巣をとらえることができます。病巣が発見されても早く切除できれば大きな問題にはなりません。「損失」の病巣は放置していて消えることはないのです。さらに巨大化して切るまで追いかけてきます。
会計は問題となる部分だけでなく、生き生きと活動している希望の部分も映し出します。どこを改善し、どこを強化するか。会計を専門にしている我々にとって、経営者に決算を説明するということは、経営者を補佐する立場としての職務です。一方、経営者にとって、決算の説明を求め経営実態を理解することは、結果責任を負う立場として必須です。決算書を作成すること、そして決算書に写し出された経営の真の姿を説明することまでが"会計業務"と認識すべきでしょう。
「決算書の作成にくらべて説明は難しい」と感じる人がいるかも知れませんが、決算書からの情報を説明することはそんなに難しいことではありません。ただし決算書を作成する立場で説明すると情報は伝わりにくくなります。作成する立場では正確性が第一に重要になります。しかし正確性を重視するばかりにすべての情報を細かく網羅的に説明すると、相手が必要とする基本的な情報が多くの情報のなかに埋もれてしまう場合があるのです。原稿用紙10枚分の情報を1枚にまとめるくらいの気持ちで、優先順位を付けて柔軟に話すことが効果的な説明のコツです。大切なことも相手に伝わらなければ情報として活かされないのです。

月次決算で経営の前方に光を!

会計には決算書を「作成する会計」と、作成された決算書から経営情報を整理・報告し、望ましい経営判断と行動に役立たせる「利用する会計」があります。会社内部での決算説明は、利用する会計として分かりやすく伝えることが必要となります。
利用する会計の中でも、活用する頻度や経営情報としての鮮度を考えれば「月次決算」の重要度は群を抜いています。 経営を車の運転にたとえると、月次決算の情報は運転席の前方から飛び込んでくる最新情報であり、この情報を活用できてこそ遅れることなく的確な経営判断が可能となるのです。月次決算を活用しない会社は、目の前の情報に対して目を閉じて勘に頼った危険な運転をしているか、あるいは進むべき道を外している可能性があります。
前を良く見て運転するのが安全であるように、月次決算を大事にする会社ほど赤字が連続するリスクは低くなります。一方で赤字の現実を見ようとしない(向き合おうとしない)会社は赤字の世界に漬かります。月次決算で経営の前方に光りを当てることは、経営者や経営幹部に望ましい経営判断をうながすために最優先で行うべき経営管理業務です。

情報の引き出しは管理会計で用意する

月次決算の説明者には、単に業績としての売上・利益やキャッシュフローの最新情報を伝えるだけではなく、財務情報から経営判断と行動に役立つような情報を拾い上げて説明する役割も期待されています。望ましい経営に向けての情報提供を含めた説明を行うためには、管理会計を使いこなせるようになることも必要でしょう。
管理会計を使いこなせるようになると、説明者の頭のなかに経営管理に役立つ"情報の引き出し"ができてきます。事前にいくつかの引き出しに情報を整理しておけば、必要なときにサッと引き出して説明に使えます。整理された情報の引き出しを多く持っている人ほど説明はスマートで説得力もあり、会社の経営者にとって経営改善の助言者、また会社の重要な意思決定の相談相手として頼られる存在となるでしょう。
ここで自己チェックしてみましょう。決算説明の際に社長からこんな質問が寄せられたとして、あなたはどう答えますか。
「十分といえる利益はどのくらいなのでしょうか」
「決算書に財務リスクの問題は出てきていますか」
「赤字から脱却するために最優先にすべきことは何ですか」
質問への回答は状況に応じて必ずしもひとつとは限りません。どこに重点を置いて説明するかがポイントです。その際には、経営目標や財務戦略の立案といった管理会計による情報の引き出しをより多く持っている人ほど説得力のある説明ができます。たとえば「十分な利益」という場合の着眼点は、利益を何に利用するかです。回答に際しては、借入金の返済、設備投資、配当が継続的・安定的に行える現実的な水準を検証することになります。
決算書が作成できると達成感(やっとできた!)が味わえますが、それで終わりではないのです。管理会計を使いこなせるようになると活躍の場が広がり、もうひとつの達成感(これは楽しい!)が味わえます。

月次決算書の見方・説明の仕方」について書籍で読むなら

『経理、総務、経営企画部門担当者のための実践理解/月次決算書の見方・説明の仕方』
和田 正次 著 A5判 228頁
2010年8月発行 税務研究会出版局
定価 2100円(税込)

詳細はこちらをご覧ください。(税務研究会のサイトへ移動します)

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