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ZEIKENPLUS 2012 Summer

研修会レポート 人気の研修会をご紹介します!
消費税の実務と誤りやすい点

税務研究会では、税務・会計を中心とする実務セミナーを全国にて開催しています。
今回は税理士の小池敏範先生に、消費税の実務とミスが発生しやすい点についてお話を伺いました。

税理士 小池 敏範 氏
小池税理士事務所所長。大手企業、中小企業の税務申告代理および税務相談、経営指導にあたる一方で、法人税・消費税等に関するセミナー講師としても活躍中。
【著書】「主要勘定科目の法人税実務対策」「誤りやすい役員給与の法人税実務」「法人税・消費税の接点と相違点」「わかりやすい法人税」「誤りやすい消費税の実務」(税務研究会出版局)、「寄付金・会費・分担金・租税公課」「簡易課税制度」(中央経済社)他多数。

小池 敏範 先生による、95%ルールの改正を踏まえた「消費税実務講座」は、例年6月と11月に東京会場で開催しております。
実務研修会の詳細は弊社ホームページ内をご参照ください。

消費税では、取引の課税対象の区分を正しく行うことが必要!

ご承知のように、平成23年6月の税制改正により消費税のいわゆる「95%ルール」が見直されました。従来は、課税売上割合が95%以上である事業者は課税仕入れ等の税額の全額を税額控除できましたが、改正により、課税売上割合が95%以上であっても課税売上高が5億円を超える事業者は、新たに複雑な控除税額の按分計算をして控除すべき消費税額を求めることになりました。また、ここ数年で消費税等の税率が段階的にアップすることが予定されています。

このような背景もあって、消費税の実務が今までにも増して重要視されています。

消費税では、まず、事業者が行う取引が課税対象となるのか、それとも課税対象外(不課税)となるのか、課税対象となるものであっても結果として非課税となるのか、といった課税対象の区分が正しく行われているかどうかが実務上のポイントになります。この区分が正しく行われていないと、納付すべき消費税等の額の計算に誤りが生じます。特に、「95%ルール」の改正の適用を受ける多くの事業者は、控除税額の按分基準として「課税売上割合」を用いるのが原則です。この課税売上割合とは、課税売上高と非課税売上高の合計額に対する課税売上高の金額の占める割合をいいますが、課税対象外売上げはこの計算には含めません。例えば、株式を所有している会社から受け取る株主配当金は課税対象外売上げですが、これを間違って非課税売上げとしてしまうと、課税売上割合の計算に誤りが生じ、課税標準額に対する消費税額から控除すべき消費税額を正確に計算できませんので、結果として、納付すべき消費税額が違ってくるのです。

申告納付すべき消費税額の計算プロセスを知ることも重要!

次に、納付すべき消費税額をどのようにして計算するのかを知ることが重要です。消費税は、正しくは国税である消費税と地方税である地方消費税とに分かれます。地方消費税は地方税なので、本来は法人事業税と同様に地方公共団体の窓口に申告納付するものですが、地方消費税の税率が低い(実質1%)こともあって、現在はこの地方消費税も含めて税務署にまとめて申告納付しています。地方消費税は国税の消費税額を課税標準としますので、国税の消費税額が算出されれば、年一回、申告の段階で自動的に答えが出るものです。したがって、地方消費税法という法律はなく、消費税の細かい取扱いは国税の消費税法だけに規定されています。

その国税の納付すべき消費税額の計算ですが、最初に、売上げとか雑収入等の売上高の合計額を税抜きした年間の税抜課税売上高(千円未満端数切捨て)を課税標準とし、これに国税の税率4%を乗じたものを「課税標準額に対する消費税額」として計算します。これに「控除過大調整税額」に該当するものがあればそれを加算し、それから「控除税額」を控除して年税額を計算します。この年税額から中間申告によって納付した中間納付税額を控除して納付すべき消費税額を計算することになります。もちろん、課税標準額に対する消費税額よりも控除税額の方が多い場合や年税額よりも中間納税額の方が多い場合は、その差額は還付されます。

ところで、これらの計算プロセスで控除計算の対象となる控除税額には、

①控除対象仕入税額
②返還等対価に係る税額
③貸倒れに係る税額

の3つがありますが、それぞれの計算内容を知ることも大事です。特に、控除対象仕入税額の計算の仕組みと内容を学習することが重要です。控除対象仕入税額には、仕入とか経費、資産の購入に係る消費税額を仮払消費税等として積み上げて控除税額を計算する原則的な方法と、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者に選択適用が認められている簡易課税制度による控除税額を計算する方法の2つがありますが、大半の事業者は前者によっています。この控除対象仕入税額は奥が深く、実務上のミスが多発する重要な項目なので、十分な学習が必要です。

消費税の各種制度の届出・承認申請のルールを知ることも重要!

消費税の実務では、さらに、次のような項目の内容を知ることも重要です。

①消費税の納税義務書と納税義務の免除制度
②消費税の申告・納付の方法
③消費税の申告書・同付表の記入内容
④消費税の届出・承認申請の手続き
⑤消費税の経理処理
⑥消費税と法人税・源泉所得税・印紙税との関係

これらの中では、特に④が重要です。消費税では選択制となっている各種制度があり、その制度の選択や選択を取り止める場合は、その旨を明らかにする所定の届出書や申請書を決められた期限までに税務署に提出しなければならないことになっていますが、実務ではこの届出の失念等のミスが多いのが事実です。
以上のように、消費税の実務を行う上で、知っておかなければならない事項はたくさんありますが、体系的に理解していただければそれほど難しくはありません。

この消費税実務講座では、消費税の取扱いのうち普段の実務にでてくる重要な事項を、体系的に、しかも豊富な事例を交えて実践的に解説しますので読者の皆様のお役に立つと自負しています。是非ご参加ください。

月刊「国際税務」

更に詳細について、書籍で読むならこちら!

『事例検討 誤りやすい消費税の実務』
小池敏範 著
A5判 336頁 2011年9月発行 税務研究会出版局
定価 2,940円(税込)

詳細はこちらをご覧ください。(税務研究会のサイトへ移動します)

実務研修会の予定等はこちら(税務研究会のサイトへ移動します)
お問い合わせはこちら(税務研究会のサイトへ移動します)

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