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ZEIKENPLUS 2013 Winter

研修会レポート 人気の研修会をご紹介します!
新退職給付会計基準(日本)の解説

公認会計士 井上 雅彦 氏
税務研究会では、税務・会計を中心とする実務セミナーを全国にて開催しています。
今回は公認会計士の井上雅彦先生に、新しい退職給付会計基準のポイントと実務への影響を概説してもらいました。

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 井上雅彦 氏
有限責任監査法人トーマツ パートナー (社)日本証券アナリスト協会検定会員。
日本会計士協会公的年金専門部会専門委員、同協会業種別監査委員会委員、同協会厚生年金基金理事、同協会厚生年金基金特別プロジェクト専門委員及び運営委員会委員等を歴任。 【主な著書等】単著「二訂増補版キーワードでわかる退職給付会計」、「三訂版キーワードでわかるリースの法律・会計・税務」、小冊子「新しいリース会計基準と新しいリース税制」以上弊会、「Q&A リースの会計・税務(第3版)」、共編「会計用語辞典」 以上日本経済新聞社、単著「事業再編に伴う退職給付制度の設計と会計実務」中央経済社、その他、会計専門誌等に論文等執筆多数。

1.新しい退職給付会計基準が導入され実務が大きく変わる

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2012年5月17日に企業会計基準第26号「退職給付に関する会計基準」(以下「改訂基準」という。)及び企業会計基準適用指針第25号「退職給付に関する会計基準の適用指針」(以下「適用指針」という。)を公表しています。
改訂基準には実務上の対応が難しいものもあり従来の実務を大きく変える可能性があります。

2.経営へのインパクトが大きい

改訂項目には、経営や損益及びキャッシュフローに及ぼす影響が大きいもの、数理計算に関わるものも多いため、経営に及ぼすインパクトを把握した上で、適切な判断をする必要があります。そのためには、改訂のポイントを踏まえた分析を行うことが肝要です。

3.準備の時間的余裕はなく、万全の準備が必要

改訂項目を踏まえ、実務対応の準備をするのに、時間がかかったり、実際の対応が難しい論点があります。また、四半期、予算への対応を考えると、準備を行なうのに残された時間は1年程度とあまり時間がありません。実務対応に当たっては、余裕を持った対応が望まれます。

4.セミナーで取り扱うテーマとそのポイント

(1)連結B/S、積立不足を計上し遅延認識廃止、連結P/Lは変更なし
連結財務諸表上は、年金制度の積立不足をバランスシートに全額反映する会計処理が導入されます。ただし、損益計算書上は、数理計算上の差異について遅延認識を継続します。
つまり、現行基準の取扱いと変わりません。さらには、個別財務諸表上は、貸借対照表上も損益計算書上も、現行の会計処理となんら変わることはありません。
本セミナーでは以下の点を踏まえて実務上の対応をわかりやすく解説します。

①連結と単体の取扱いの違い
②損益計算書の取扱い
③包括利益計算書上の取扱い
④リサイクルの方法

また、貸借対照表上で遅延認識を廃止し、数理計算上の差異等を包括利益計算書に計上することで、自己資本の変動性が高まることになります。それに関する経営者の説明責任がより求められ、マネジメントの巧拙が問題になる可能性があります。また、自己資本比率など企業の財務指標に大きな影響を及ぼします。
本セミナーでは、先に導入された、国際会計基準(改訂IAS第19号「従業員給付」)と比較しながら、経営に及ぼす影響を探っていきます。

(2)退職給付見込額の期間配分方法、期間定額基準か給付算定式基準か
改訂基準では、退職給付債務や勤務費用を計算する過程での重要な要素である「期間配分方法」は、期間定額基準でも給付算定式に基づく方法でも採用することができます。
この適用については、他と異なり、2014年(平成26年)4月1日以後開始する事業年度の期首から適用するとされています。この際、これまで期間定額基準を採用していた場合であっても、適用初年度の期首において、給付算定式基準を選択することができるとされています。
また、連結グループ内の全ての関係会社に影響を及ぼすうえに、この計算自体は、外部の計算受託機関に委託しているケースが多いと思われます。
改訂基準が導入されると、現行の期間配分方法を変えるべきか、継続すべきか、変える場合の判断のポイントは何か、変更に当たっての実務上の留意点は何か、などの点を押えることが重要になります。
この期間配分方法の選択により、企業及び企業グループの損益及び剰余金に大きな影響を及ぼす可能性があります。
実際の判断に当たっては、改定基準にある「なおがき」の解釈がとても重要になるため、同じ考え方を採っている現行のIAS第19号の実務例を紹介しながら、適切な実務対応を探ります。
以上の点を踏まえて、「期間配分方法」の見直しに当たり、何が実務上のポイントで、具体的に、何をどのように準備すればよいか、明快に解説します。

(3)「割引期間」に関してより厳格な対応が求められる
退職給付に関する債務や費用は割引計算をして算定しますが、改訂基準では、割引計算を行う際の割引期間に関してより厳格な対応を求めています。
これまで割引率決定の基礎となる債券の期間について、退職給付の支払見込日までの平均期間を原則としながらも、実務上は従業員の平均残存勤務期間に近似した年数とすることができることとしていました。
これに対し、改訂基準では、「割引率は、退職給付支払ごとの支払見込期間を反映するものでなければならない」ものとしています。
まずは、改訂基準が求める「割引期間」の考え方をしっかり理解していただきます。
また、割引計算も、PBOを計算する過程で必要になるため、計算を外部の計算受託機関に委託しているケースが多いと思われます。そこで、現状、計算受託機関で進められている対応方法や、同じ考え方を採っている現行のIAS第19号の実務例を紹介しながら、適切な実務対応を探ります。

(4)開示の充実が要求された
IAS第19号の水準に近くなった開示の中身を押えて、具体的な実務対応をイメージしていただきます。
開示が拡充されている項目として、退職給付債務や年金資産について、期首残高と期末残高の調整表があげられます。また、年金資産の主な内訳として、株式、債券などの種類ごとの割合又は金額や、年金資産の主要な種類との関連で長期期待運用収益率の設定方法に関する記載も開示することとされています。また、退職給付信託が設定された企業年金制度について、年金資産の合計額に対する退職給付信託の額の割合が重要である場合には、その割合又は金額を別に付記することとされています。

井上 雅彦 先生による研修会
『経営へのインパクト大!「新退職給付会計基準( 日本)の解説」』
東京会場開催 2013年1月9日(水)
詳細はこちらをご覧ください。

関連書籍
改訂退職給付会計基準のポイント、実務への対応方法も盛り込んだ
『退職給付会計のすべてがわかる!三訂版 キーワードでわかる退職給付会計』
(2013年春刊行予定)

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