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ZEIKENPLUS 2013 Summer

5分でわかる!税務会計 先生の回答

1.自動車・家電製品の場合はどうなの?

■自動車取得税の廃止
自動車取得税については、平成25年度税制改正により、消費税率が10%に上がる時点(平成27年10月1日)で廃止されることが決まりました。自動車重量税に係るエコカー減税については基本構造を恒久化するものとされています。自動車重量税の廃止が見送られたのは、道路などの維持、更新に多額の財源が必要という理由によるもので、経年劣化したインフラで事故が発生していることから、インフラ整備のための安定財源を確保するため、平成21年度に一般財源化されたものが特定財源に近い形に戻される見込みです(平成26年度税制改正により手当てされる予定)。

■自動車取得税は消費税の引上げに合わせて廃止
自動車取得税の廃止ですが、消費税が上がる平成26年4月1日に(環境性能に優れた車の自動車取得税を軽減する)エコカー減税の拡充を行い、その後消費税が平成27年10月1日に10%に上がる時に廃止が予定されています。通算してみると、もともとの消費税率が5%であったものが最終的に10%に上がる段階で自動車取得税(取得価額に対して5%相当額)が廃止されるということになりますので、一見して消費者にとってプラスもマイナスもないように見えます。


■自動車取得税廃止でも負担増!
自動車取得税は税率だけみると5%ですが、自動車取得税の課税ベースとなる取得価額は、消費税抜きの車両本体価格の90%相当額です。ということは、実際の金額ベースでみると、消費税抜きの車両本体価格の4.5%相当額ということになります。消費税率の引上げ幅に比べると、自動車取得税の廃止による税金の減少額は少ないことがわかります。
しかも、軽自動車の場合ですと、自動車取得税の税率は本則の3%が適用されていますので、確実に負担増になるといえます。車両本体価格が120万円の軽自動車の場合、現在は消費税6万円(120万円×5%)+自動車取得税3.24万円(120万円×90%×3%)=9.24万円ですが、消費税率が10%に上がる段階では、12万円(120万円×10%)の負担になりますので、2.76万円の負担増になります。


■家電製品の場合は?
大型家電の場合は、少し事情が異なります。新モデルの価格は右肩下がりになるケースがほとんどで、1年経過後には同じ価格でより高性能のものを購入できる場合が多いようです。消費税の増税のことをそこまで気にするよりは、性能と価格のバランスから製品を選ぶ姿勢を重視した方がいいという意見も多いようです。
また、消費税の増税前には駆け込み重要がないわけではありませんから、増税後の需要の落込みによる価格ダウンの恩恵を受けた方が、結果として得になる場合もあり得ます。したがって、家電製品については、そこまで消費税の増税を意識する必要がないようにも思われます。

2.住宅ローン減税の拡充によるプラスと金利が0.5%上がることによるマイナスはどちらが大きい?

■住宅ローン減税の拡充の影響
住宅ローン減税の拡充は、①住宅ローンを4,000万円またはそれ以上借り入れる予定である場合、②土地の価格が高い地域での購入を予定している(または住宅に占める土地の価格の割合が高い一戸建ての購入を予定している)場合に大きい効果が得られるという点を説明しました。
例えば土地3,000万円、建物2,000万円で合計額5,000万円の一戸建てを購入したものとします。住宅ローンの残高が10年間4,000万円を下回らなければ、住宅ローン控除は最大の400万円(40万円×10年)受けられます。平成25年度税制改正による拡充前と比べても、控除額が200万円(400万円-200万円)増えます。
それに対して、消費税は建物に対して5%の場合は100万円(2,000万円×5%)、8%の場合は160万円(2,000万円×8%)、10%の場合は200万円(2,000万円×10%)かかります。住宅ローン減税と消費税の増税だけを単純に比較した場合は、住宅ローン減税の拡充の恩恵をフルに受ければ、消費税の増税分のマイナスを取り返せると考えられます。

■金利の上昇の影響は?
無視できないのは、今後の金利の動向です。例えば金利が0.5%上昇した場合、借入額4,000万円に対して年間20万円(4,000万円×0.5%)の支出増となります。これが5年間累積すると100万円の支出増、10年間累積すると200万円の支出増になりますから、住宅ローン減税の拡充のプラス効果を打ち消してしまう可能性もあり得ることがわかります。
住宅ローン減税の拡充の恩恵をフルに受けるということは、相応の借入金残高を10年間は持つということを意味しますので、反面金利の変動リスクも相応に高くなることが考えられます。
ところが、金利の動向は誰にも正確には予想できないわけであり、予想に基づいた判断も確実なものではありません。
最近では、変動金利型のローンよりも固定金利型のローンを組む人が増えているようですが、固定金利型のローンにより、少し金利は高くなっても、将来の金利の上昇リスクをヘッジしておきたいというニーズがあることを表しているように思われます。
 

■十分な吟味のうえでの判断が必要!
金利の動向も重要ですが、将来の不動産価格の動向も大きな問題です。購入した物件が値下がりすることは避けたいものです。ただし、これについても誰にも正確な予想は難しい面があります。結論としては、住宅ローン減税の拡充のプラス、消費税の増税によるマイナスは、実際に試算できますが、金利の動向や不動産の価格の動向は誰にも予想できません。
家族構成がある程度固まった時期に照準を合わせて、頭金等の準備をしたうえで、じっくりと吟味して物件を選ぶという姿勢・対応は重要な面があります。消費税が上がるというその1点だけにとらわれて、焦って物件を購入することは望ましくないと考えられます。購入計画、ローンの返済計画などをしっかりと立てて、購入のタイミングを計りつつ、いい物件と巡り合えるように物件の吟味をして、最終的に決断するという形が望まれるように思われます。

3.注文住宅等の請負契約には、特別な経過措置があるってホント?

■請負契約に係る経過措置(販売契約には適用なし)
注文住宅のような請負契約については、今回の消費税率引上げに際しては特別な経過措置が設けられている点を理解しておく必要があります。
この経過措置は、注文住宅やリフォームのような請負契約にのみ適用され、建売住宅や分譲マンションのような販売契約には適用されません。建売住宅・分譲マンションの場合は、引渡日で税率が決まります。ただし、建売住宅・分譲マンションであっても、その建物の内装・外装、設備、別注家具等について購入者からの注文が請負契約として付されている場合においては、その契約全体を請負契約として取り扱うことになります。この点は、後で詳しく解説します。
この経過措置の内容は、次のとおりです。

■経過措置の内容は?
1. 契約日が平成25年9月30日以前、引渡日が平成26年4月1日以後のケース
平成25年9月30日までに請負契約を締結したものは、平成26年4月1日以後の引渡しであっても、旧税率の5%が適用されます。
ただし同契約をベースとして、仕様変更や追加工事の契約を平成25年10月1日以降に取り交わした場合には、増額分について8%の税率が適用される点にご注意が必要です。

経過措置 5%の税率適用

 2. 契約日が平成25年10月1日以後かつ平成27年3月31日以前であり、引渡日が平成27年10月1日以後のケース
平成25年10月1日から平成27年3月31日までの間に請負契約を締結したものは、平成27年10月1日以後の引渡しであっても、8%の税率が適用されます。

経過措置 8%の税率適用

 上記の場合は、引渡日が平成27年10月1日以後であっても、請負契約に係る契約日が平成25年10月1日以後かつ平成27年3月31日以前であるため、税率8%が適用されます。
 

■請負契約の締結日に要注意!
先の経過措置は、注文住宅のような請負契約については、引渡日が増税後の期間に入っても、契約日いかんによって引上げ前の旧税率が適用されるという特別な取扱いです。
契約の締結日に配慮することにより、この制度をうまく活用すると、負担する消費税額が少なくなるというメリットが生じますので、考慮に入れておく必要があります。住宅や賃貸物件の建築請負契約を結ぶ場合には、通常間取り図はもちろん詳細な設計図、建築積算による見積書を検討したうえで値交渉に入って建築請負金額を契約します。ここでも相応の期間を要することになりますので余裕をもって契約交渉をすることもポイントでしょう。
なお、この経過措置は請負契約について適用されますので、建替えやリフォームであっても、基本的に同様です。
 

■建売りや分譲マンションでも経過措置が適用される場合
経過規定の特例には、平成9年の消費税引上げ時と同様に、「建物の譲渡に係る契約で、当該建物の内装もしくは外装または設備もしくは構造についての当該建物の譲渡を受ける者の注文に応じて建築される建物に係る契約」が含まれています。
すなわち、建売りや分譲マンションの販売取引であっても、内装・外装、設備の設置・構造、別注家具などについて購入者からの注文が請負契約として付されている場合は、請負契約として取り扱うことになります(改正令附則4条5項)。譲渡契約に係る建物について、注文者が壁の色またはドアの形状等について特別の注文を付すことができることとなっているものも含まれます(「平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する 経過措置の取扱いについて(法令解釈通達)」13」参照)。

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